国内の競馬はすべて同じ組織が運営しているわけではありません。実は中央競馬と地方競馬と呼ばれるものがあるのです。中央競馬と地方競馬はいろいろな部分で大きな差があり、たとえば馬の質や賞金は圧倒的に中央競馬が上といえるでしょう。それがはっきりとわかるのが交流競走と呼ばれるレースです。交流競走では中央競馬に所属する馬と地方競馬に所属する馬が一緒に走りますが、地方競馬所属の馬が一着になることはほぼありません。
ただ、競争のレベルは低くても地方競馬には根強いファンが多くついています。恵まれているとはいえない環境で馬や騎手が頑張っている姿を見ると元気が出るといった人たちが大勢いるのです。また、ナイター競争も地方競馬ならではの魅力といえるでしょう。中央競馬のメインレースは必ず午後三時頃に行われますが、地方競馬では午後八時ぐらいに行われることもあるのです。夜、照明に照らされた馬たちが走る様子は独特の美しさがあり、女性にも人気です。
オグリキャップのように地方から中央に移籍する馬とは逆に、中央から地方に移籍する馬も存在します。ほとんどの場合、中央では通用しなくなった馬が、地方ならまだなんとかなるのではという理由でくるので、基本的には高齢です。そういった馬の中には中央競馬でだいぶ活躍していたにもかかわらず、スランプでまったく勝てなくなったという馬も存在し、まだ現役を続けてくれることに喜びを感じて地方競馬を見始める人も少なくありません。